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テンプレートのメンテナンス

テンプレートは、“メンテナンス”と呼ばれる特別なモードに設定することができます。このモードは、主にゲストオペレーティングシステムでソフトウェアのアップデートやインストールを行うために使用されます。このモードでは、テンプレートは、新しいゲスト VM の作成といった一般的なタスクを行うことができなくなり、通常の仮想マシンとして起動できるようになります。仮想マシンが実行されたら、ゲスト OS でソフトウェアのインストールやアップデートを行ったり、オペレーティングシステムで管理タスクを実行したりすることができます。

テンプレートが完全複製とリンク複製のどちら向けに構成されているかによって、メンテナンスモードは多少異なる方法で使用されます。以下にその違いを説明します。

完全複製

完全複製を作成するようテンプレートが構成されている場合、次の操作を実行します。

  1. テンプレートを選択し、[タスク] > [メンテナンス] をクリックします。テンプレートが無効になり(グレーで表示される)、そこで行われるすべての操作が一時停止されます。[ステータス] のテンプレートのステータスが、”メンテナンスを開始中”になり、完了すると”メンテナンス”に変わります。
  2. ハイパーバイザーのネイティブツールを使用して、通常の仮想マシンとしてテンプレートを起動します。
  3. 必要に応じて Windows Update または Windows ソフトウェアをインストールします。
  4. 完了したら、仮想マシンをシャットダウンします。
  5. RAS Console に戻り、テンプレートを選択して [タスク] > [メンテナンス] を再度クリックし、メンテナンスモードを終了します。また、ウィンドウの下部には、メンテナンス終了中のステータスが表示されます。
  6. この時点で、既存のゲスト VM を再作成するかどうかを確認するメッセージが表示される場合があります。このメッセージは、すでにこのテンプレートから作成されたゲスト VM が 1 つまたは複数存在する場合に表示されます。完全複製テンプレートを更新すると、変更は今後の複製にのみ影響を与えます。既存の複製にこの更新を適用するには、その複製を再作成する必要があります。既存のゲスト VM の再作成をこの時点で行うか、後で行うかを選択できます。完全複製の再作成には時間がかかります。また、再作成中に新しいアプリが完全複製の VM にインストールされたり、ユーザープロファイルが変更されたりする場合がありますが、こういった変更はすべて失われます。ユーザーへの影響を最小限に抑えるために、メンテナンス期間をスケジュール設定して、その期間中に複製を再作成することをお勧めします。

リンク複製

リンク複製では仮想ハードディスクがテンプレートのスナップショットと共有されるため、完全複製と比較すると追加の手順が必要になります。

まず、データを保存してログオフするようにゲスト VM ユーザーに通知する必要があります。これは、テンプレートにインストールするアップデートを既存のゲスト VM に反映するために必要になります。すべてのユーザーがログオフしたら、次の操作を実行します。

  1. テンプレートを選択し、[タスク] > [メンテナンス] をクリックします。テンプレートが無効になり(グレーで表示される)、そこで行われるすべての操作が一時停止されます。また、ウィンドウの下部には、操作に関するステータスが表示されます。
  2. ハイパーバイザーのネイティブツールを使用して、通常の仮想マシンとしてテンプレートを起動します。
  3. 必要に応じて Windows Update または Windows ソフトウェアをインストールします。
  4. 完了したら、仮想マシンをシャットダウンします。
  5. RAS Console に戻り、テンプレートを選択して [タスク] > [メンテナンス] を再度クリックし、メンテナンスモードを終了します。既存のゲスト VM を再作成するかどうかを尋ねるダイアログが表示されます。[いいえ] をクリックすると、ダイアログが閉じられ、既存のゲスト VM は現在の状態のまま維持されます。これは、インストールしたアップデートが既存の VM に反映されないことを意味します。[はい] をクリックした場合は、先に進んでください。
  6. 前の手順で [はい] をクリックすると、既存のゲスト VM でアクティブな接続の有無が確認されます。アクティブな接続が存在する場合は、続行するかどうかを確認する別のダイアログが開きます。
    • [はい] をクリックすると、すべてのアクティブセッションが強制的にログオフされ、既存のゲスト VM(リンク複製)が対応するスナップショットと一緒に削除され、新しいスナップショットと VM が、更新されたテンプレートから作成されます。
    • [いいえ] をクリックすると、[テンプレートゲスト VM リスト] ダイアログが開き、利用可能な各ゲスト VM の現在の状態を確認できます。このダイアログから、ゲスト VM を制御できます。ユーザーにメッセージを送信して、ユーザーをログオフさせることができます。アクティブなセッションがすべてログオフしたら、[OK] をクリックします。既存のゲスト VM と対応するスナップショットが削除され、新しいスナップショットと VM が、アップデートされたテンプレートから作成されます。

テンプレートの構成が完了したら、RAS Console のメインウィンドウにある [適用] ボタンをクリックして、変更内容を Parallels RAS で確定します。

リンク複製を再作成せずにメンテナンスモードを終了した場合、更新を適用するには再度メンテナンスモードに入る必要があることに注意してください。

テンプレート内の RAS Guest Agent の更新

テンプレートには、RAS Guest Agent の最新バージョンがインストールされている必要があります。RAS Guest Agent はテンプレートの作成時にインストールされます。RAS Guest Agent の新しいバージョンが入手できるようになったら、RAS Guest Agent をアップデートする必要があります。Agent を更新するには、上述のメンテナンスモードを使用する必要があります。Parallels RAS では、Agent の更新を簡素化するために、インストール済みのすべての Agent をモニタリングし、更新プログラムが利用可能になると管理者に通知します。

RAS Console の起動時に、インストール済みのすべて Agent がチェックされ、更新が必要な Agent が存在する場合はメッセージが表示されます。これは、RAS インフラストラクチャのサーバーとテンプレートに適用されます。すべてのエージェントを更新するかどうかをユーザーに確認するメッセージが表示されます。[はい] をクリックすると、Agent を更新する必要のあるすべてのサーバーとテンプレートを一覧表示するダイアログが表示されます。サーバー/テンプレートの選択または選択解除を行い、一括更新の手順にサーバー/テンプレートを含めたり、除外したりできます。選択を行ったら、[OK] をクリックして、更新を開始します。画面の指示に従って、Agent を更新します。

完全複製テンプレートとリンク複製テンプレートの比較: テンプレートの RAS Guest Agent を更新する際には、このテンプレートから作成されたゲスト VM の Agent も更新する必要があります。この更新は、完全複製テンプレートとリンク複製テンプレートに対して別々に実行されます。以下に説明する手順をお読みください。

リンク複製テンプレートの Agent を更新する場合、このテンプレートから作成されたすべてのゲスト VM を再作成するかどうか確認されます。[はい] をクリックすると、それらはテンプレートに合わせて自動的に再作成されます。

完全複製テンプレートの Agent を更新するときに、自動的に完全複製ゲスト VM が再作成されることはありません。再作成するかどうかが確認されます。完全に複製された VM は完全なマシンであるため、再作成には時間がかかります。再作成する場合は注意してください。代わりに、これらの VM の Agent を RAS Console からプッシュインストールすることによって更新できます。これは [VDI] > [デスクトップ] タブで [タスク] > [すべての Agent をアップグレード] をクリックして実行できます。

テンプレート内の RAS Guest Agent のステータスを手動で確認するには、[タスク] > [Agent をチェック] をクリックします。Agent が最新の場合、メッセージボックスに最新であることを確認するメッセージが表示されます。RAS Guest Agent の新しいバージョンが入手できる場合は、更新するかどうかを確認するダイアログが表示されます。上述の、完全複製テンプレートおよびリンク複製テンプレートの更新における違いがこのシナリオにも当てはまりますので注意してください。

テンプレートに基づく RD セッションホストのメンテナンス

テンプレートから作成された RD セッションホストに対してスケジュールされたメンテナンスを実行する必要がある場合、次の手順に従ってください。

  1. メンテナンスウィンドウに合わせて対象の RD セッションホストグループを空にするスケジュールを作成します。
  2. メンテナンス中(またはその直前)にテンプレートをメンテナンスモードに切り替えます。その後で必要な変更を適用します。
  3. スケジュールでは、テンプレートにプロビジョニングされたグループが(メンテナンスウィンドウが継続している間)無効になり、これにより、すべてのゲスト VM がグループから削除(割り当て解除)されます。
  4. テンプレートをメンテナンスから解放し、すべての複製を再作成するか尋ねられたら、[はい] をクリックします。
  5. ステップ 3(上記)で無効にしたグループを有効にします。この時点で、グループは、[使用可能なバッファを以下に維持] 設定に従い、ゲスト VM の受け取りを開始します。
  6. この時点以降、グループはオンデマンドで VM によりプロビジョニングされます。